藤沢宿と聞いて、あなたは何をイメージするでしょうか。藤沢へ訪れたことがある方もない方も、「宿」と聞けばその名前の表すところ、宿場町をイメージする方が多いのではないでしょうか。
たしかにその通り、藤沢宿は江戸から東海道中6番目の宿場町として栄えた古くからの地区です。しかしこの「藤沢宿」、このまちの持つ歴史資源は、単に江戸時代においてのみ築かれたわけではありません。鎌倉時代には、武家の古都鎌倉のお膝元であることも手伝って、源頼朝お抱えの棟梁集団の本拠地として栄え、また時宗の道場である遊行寺は修行僧を迎え入れていました。江戸時代の宿場町として隆盛を極めたのちも、明治時代には近隣の農村へ米穀肥料を供給する問屋街として発展し、それと同時に藤沢市制はじまりの地として町役場や町議会が開かれ、この地方の行政機能の中心を担いました。このように、藤沢宿は単なる江戸時代の宿場町のみならず、多様な歴史の層が積み重なってできたまちなのです。
そんな多層な歴史の積み重なる藤沢宿ではありますが、よく知られた観光スポットといえば、遊行寺や義経ゆかりの白旗神社や首洗い井戸などが挙げられることが多いようです。しかし、藤沢宿には実はもっとたくさんの歴史資源やみどころが眠っています。一見すると何気ない店構えの中にこそ、細い路地を抜けお寺の裏山へのぼりきったその先にこそ、藤沢宿の魅力は隠されています。普段気づかない藤沢宿の魅力を探して、ちょいと散策してみよう、気負わずに気軽にぶらり歩き始めてみよう、そんな思いを込めてこのたび「藤沢宿ちょいぶら」を開催します。
藤沢宿ちょいぶらでは、「ちょこっと30分」「けっこう60分」「かなり90分」の3つの種類のコースをテーマ別に用意しています。それぞれの関心に応じてテーマまちあるきに参加することはもちろん、体力に応じて時間やコースルートを参考にしてみることもできるようになっています。
テーマまちあるきでは、ガイドは基本的に大学院生が中心となって担いますが、テーマによっては専門家や住民の方がガイドとして参加するコースも設けています。また藤沢宿ちょいぶらでは、8つのテーマまちあるきに加えて、フリーまちあるきをも用意しています。
フリーまちあるきでは、基本的にガイドは付きませんが、自分達でコースを設定して自由にまちを楽しんでもらうことができます。そのため、参加者は一度御殿辺公園へ集合して、学生ガイドとのコース相談や資料の受け取り(地上絵コンテストに参加する場合は集合時間に集合の上、ワークショップを開催)などを済ませ、まちへ繰り出して行っていただくことになります。